A重油とC重油との混合やその他の燃料の混合の際にもっとも簡便な方法として、タンク混油があります。そんな簡便でイニシャルコストがかからない方法があるのに、何故比例混油装置が必要なのでしょうか?
A.
重油は、アスファルテンの回りにレジン分が吸着した非常に微細な粒子が、鉱物油の中に分散されたコロイド液体です。
通常は、レジンのミセルにより安定な分散状態を維持しますが、軽質鉱油等の異種液体、熱的な変化、酸化等を受けるとミセルのバランスが崩れ、アスファルテンが分離し析出します。
これが、アスファルテンスラッジと呼ばれるもので、タンクブレンドを行うと、大量のスラッジにより、ストレーナー障害や燃焼障害等の燃焼トラブルの原因になります。
又、燃料同士なので均一に混じると思われていますが、バランスの崩れたミセル成分は分散力が弱くなり、比重が重いため下部に滞留します。逆に上部は軽質油主体の燃料に分離しやすくなります。この為、タンク残量や燃料補給のタイミングで重油粘度がまちまちになり、とても危険な燃焼状態を招きかねません。
従って、混油を安心して利用する為には、比例混油は欠かせない技術なのです。
出光興産(株)殿出典資料
